国家公務員試験(総合職)1次試験について
ここでは春の試験の話。秋にやる教養区分(大卒程度)には触れない。
一次試験は、マークシートのみ。
主に専門と教養に分かれる。大卒程度と院卒者で僅かに差はあるが、基本は変わらない。
教養は、正式名称は「基礎能力試験」といい、いかにも「公務員試験」らしい問題。英数国理社いずれの分野からもでる。人事院の資料(pdf)
http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/jyukennannnai/jyukennannnai_sougousyoku.pdf
では、文章理解(英・国)、判断・数的推理・資料解釈(数)自然・人文・社会(理社)と書かれている。基本的には大学入試レベルを逸脱しないと思って良いが、専門外も含め全問答えないといけないのと、時事問題等もあるため、以外ときっちり取るのは難しい。
特に数学に関係する分野で点差が付くと思われる。全て文章題形式となるので、文系には苦手な人もいるだろう。また中学入試を経験した人だとやりやすいかも。時間制限がそこそこ厳しいこと、問題の難易度に差があることから、取捨選択が大事。あとは、5択なので消去法や当て勘も。
大卒で3時間で40問、院卒で2時間20分で30問。院卒のほうが少ない。院卒は大卒の問題から、知識分野(自然・人文・社会)を多めに減らすことで思考力重視としているらしい。
年によって難易度が異なるが6割取れば良かったと思う。
私の場合、英語が苦手で時間ばっかり食って結局正解できないのと、数学が得意で時間さえあれば大抵解けるので、英語を基本的にはちょっと読んで当て勘で答えることにした。
英語→3割
数学→9割
国語・理科→7割
社会→4割
大体こんな感じで、合計7割〜8割を目安にしていた。
対策としては、人事院から取り寄せる過去問と、問題集の参考書を1冊購入。
ただし、過去問を2-3回流したら大丈夫そうだったので、あまり対策していない。
過去問の取り寄せ方法はよく覚えていないので、個人ブログのリンクを。
この方の通り、CD-Rを郵送してもらう方法を取った。写真記憶できる人とかでないと閲覧のみとか意味が無いので。紙に印刷したものだと1枚10円かかる。ちなみにCD-Rにはpdfファイルが入っている。
1回の申請に付き、郵送代164円、返送代1区分140円、CD代が100円は固定費で計404円。それに加え1受験区分1年につき210円。お金の問題より書類作成の手間と、手続きに1ヶ月ぐらいかかるのが大変。計画的にどうぞ。多少お金かかっても使う可能性のあるものは全て申請するのが良いのでは。
なお、マークシートの解答は付属しているが、解説はない。また記述式は問題のみ。あと大卒程度の政策論文の課題も付属する。
あと、平成23年度以前は、総合職試験は1種試験となっていた。院卒者試験がないのと、問題の形式が多少異なる。ただ専門試験は1次2次ともほぼ同じなので、十分に利用可能。
一応買った問題集の後継版。
公務員試験 国家総合職 教養試験問題集 2018年度 (試験別問題集シリーズ1)
- 作者: 資格試験研究会
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
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過去問には解説がないので、数学ができない人とかは参考書も使うといいだろう。
時事問題対策に一応こんなのを買った。
試験前に見ておいて出ればラッキーという感覚だったが、案の定出なかった。
また、知識系一般に言えることだが、5択問題といっても少し癖がある。
普通の人が想像する選択問題はこんな感じでは。
- 源頼朝が実権を握ったのはいつか
- 1185年
- 1192年
- 1129年
余談だが最近の教科書は1185年を鎌倉幕府の始まりとしているとか。歯舞諸島→歯舞群島とか、教科書も少しずつ変わる。
閑話休題。公務員試験の場合、
- 次のうち、内容が最も正しいものはどれか
こんな感じで、各選択肢でバラバラの話をしているのだ。答えは1で良いはず。
だから、「あっこの問題、速攻の時事でやったやつだ!」と某真剣なゼミの漫画よろしく的中したところで、選択肢が一個切れるだけというパターンもあり得る。
知識系分野は無駄とは言わないが、コストパフォーマンスが悪い。
やはり英語か数学、知能系分野である程度取れるとラクだろう。
専門は院試に近いのでは。
私の受けた化学・生物・薬学区分では、必修問題10問と、選択問題30問。時間は3時間30分。
106題出題 40題解答
必須問題 基礎数学、基礎物理、基礎化学、基礎生物学の計10題
選択問題 次の16科目(各6題)から5科目又は6科目を選択し、その30~36題の うちから任意の計30題解答
1.数学・物理、2.基礎物理化学・基礎無機化学、3.物理化学・無機化学、 4.有機化学、5.工業化学・化学工学、6.分析化学・薬化学、 7.薬理学、8.薬剤学・衛生化学、9.食品学、 10.土壌肥料学・環境科学・農薬、11.生化学・分子生物学、 12.応用微生物学・生物工学、13.発生生物学・生理学、 14.細胞生物学(形態学を含む。)・放射線生物学、 15.遺伝学・進化学、16.生態学(動物行動学を含む。)・系統分類学
こんな風に書いてある。化学系なら1-6の選択がメジャーだろうか。私は有機化学が全然できなかったので、15の遺伝学・進化学を選択。
1科目6問なので、6科目取ると36問で、6問余る。これは自信がないものを外してよいということになる。この選択が結構迷う。時間はそこそこあるので、ゆっくり考えよう。
私の場合は、6.分析化学・薬化学と15.遺伝学・進化学を切っていった。
必修10問に関しては、化学と生物の両方から出るので、生物分野はなかなか当たらないが、そこは仕方無しとした。
6割ぐらい取れれば合格ラインだろう。
参考書として以下のものを。
化学の頻出問題 (上・中級公務員試験 技術系よくでるシリーズ)
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章始めの解説を一通りさらった後は、人事院で取り寄せた過去問をメインに。とりあえず解いて、間違えたorあやふやな問題を、ググったり、学部で使った教科書をみたり。
10年ぐらいやったところ、8割ぐらいまで行ったので、十分と判断。
なお、国2(一般職)・地上向けと書かれていても、そこまで大差ない。強いて言うなら1種(総合職)では少々、知識一発より計算問題が重要になるだろうか。内容がきちんと理解できていればそれでいい。
キャリア官僚の試験というと、難しそうに聞こえるが、一次試験はマークのみでまだ大したことはない。過去問等をやり、どこで点を取るのか戦略を立てていこう。